敬語には、相手に敬意を表し、相手や相手側の立場の人についての行為、動作などに対して使う語である「尊敬語」、自分や自分側の立場の人の行為、動作などについて、へりくだって表現することで、間接的に相手を敬う語である「謙譲語」があります。また、相手に対し、直接敬意を表現する言葉(「ですます」など丁寧な語)として「丁寧語」があります。

尊敬語と謙譲語、使えている?

尊敬語と謙譲語の使い方例

一般形

尊敬語(相手に敬意を表す)

謙譲語(自分についてへりくだる)

見る ご覧になる 拝見する・見せていただく
聞く お聞きになる 承る・うかがう・拝聴する・お聞きする
行く いらっしゃる・行かれる・お出かけになる 参る・うかがう
来る いらっしゃる・おいでになる・お見えになる 参る・うかがう
いる いらっしゃる・おいでになる おる・おります・いさせていただく
する なさる・される・お…になる いたす・お…する・させていただく
与える くださる あげる・差し上げる
食べる 召し上がる・お食べになる・あがる いただく・頂戴する
思う 思われる・おぼしめす 存する・拝見する
会う お会いになる・会われる お会いする・お目にかかる
話す お話になる お話する
使う お使いになる 使わせていただく

丁寧語の使い方例(相手に敬意を表しながら表現を丁寧にする)

一般形

普通

最も改まった場合

できない できません いたしかねます
すまないが すみませんが 恐縮でございますが
どうする どうします いかがなさいます
ある あります ございます
そうだ そうです さようでございます
いいか いいですか よろしいでしょうか
承知した 承知しました かしこまりました
〜でない 〜ではありません 〜ではございません

丁寧語に準ずる言葉(一般形)

ただいま(すぐに)、少々(ちょっと、少し)、どちら(どれ)、あちら(あっち)、こちら(こっち)、どなたさま(だれ、どなた)、どのような(どんな)、ほんじつ(きょう)、みょうにち(あした)

 



 
会社にかけるのであれば、午前10時頃から12時頃、または午後2時頃から4時頃。個人宅にかける場合は、早朝や午後9時以降は失礼にあたる。   繁華街や雑音の入りやすいところでかけるのは、相手の声を聞き取りにくいのでNG。携帯でかける時は、電波が切れないことを確認して。
 
電話ではまず何の用件でかけたのかを簡潔に伝えることが必要。かける前に準備をして、質問事項などはまとめておこう。メモとペンの用意も忘れずに。   会社にかける場合は、担当者に繋がるまで何人も経由する場合がある。その都度、自分の名前と大学名を名乗ることを忘れないようにしよう。
 
相手が出たからといって、すぐに話し始めるのはダメ。まず「今お電話よろしいですか?」と都合を聞き、忙しい場合はかけ直すこと。   電話を終える際は、お礼を述べ、相手が電話を置くのを確認してから、電話を切ること。間違っても、相手より先にガチャン!なんてことのないよう。

 



      〈手紙のルール〉
手紙は、まず「拝啓」などの頭語で始まり、季節のあいさつを続けるのがルール。初めて会う人への手紙などの場合は頭語や季節のあいさつではなく、「突然のお手紙にて失礼いたします」という書き出しで始めても。本題に入る前には、「さて」「このたび・・・」などの言葉から始めて。手紙の結びには、相手のことを気遣うような結びのあいさつと頭語に対応する「敬具」などの結語をつけること。その後ろに、日付と署名、宛先を書く。
      〈メールのルール〉
手軽なイメージのメールだが、友人同士で交わすようなノリではいけない。まずは、件名部分に、内容が簡潔に分かるようなタイトルを付けること。本文の書き出しには、宛先の担当者名を明記し、あいさつを述べた後、自分の名前と大学名を名乗ろう。1行の文字数があまり長すぎると読みにくいので、1行あたり25字〜30字になるように改行したい。文末には署名を入れるが、あまり華美になりすぎないものを。アドレス以外の連絡先は必須だ。
 〈手紙とメールの使い分けについて〉
基本的に丁寧なのは手紙のほう。急ぎの用件でなく、そして相手に対して敬意を示したいときには手紙を送ろう。メールは問い合わせや決まった連絡など報告事項に使うのがベター。急な用件の場合、相手がメールを確認できないこともあるので注意しよう。約束にどうしても遅れる場合など電話でいいにくいことをメールで送るなんてのは論外だ。
取材協力/民俗作法研究会 会長 村尾美江先生